ディスク紹介ですが、思い入れをツルツルと書いてしまいます。
ミュートビート、トマトス、高田渡、ロンサムストリングス、ハシケン...などなど、好きなレコード、観に行くライヴでやたらと出くわすベースの名人、それが松永孝義氏そのひとでした。
「今日も、あのキリストみたいなひとがベース弾いていたなぁ」と、当たり前のようにあの最高のグルーヴを浴びていた20代の頃の自分に、「もっとしっかり、目に、耳に、松永さんのベースを焼き付けておくのだ!!」と伝えたいものです。
レゲエのスペシャリスト、ジャズの、ラテンの、ソウルの、ブルースの、タンゴの...それぞれ、達人は存在して、それぞれ見事なベースを聴かせてくれるわけですが。松永さんはいわば、究極のところ。グルーヴのスペシャリストだったのだ、と。この盤を聴いて改めて痛感させられます。
あらゆる音楽のグルーヴなるものは、結局のところ根底では共通していて、どんなウネり方であるか、どんなハネ方であるか、そしてメロディを理解して...云々。とまぁ、口で言うのは簡単ですが、それを音で伝えることのできた数少ない名人であったのです。あぁ、本当に素晴らしい。
惜しくも逝去されてしまった松永孝義氏が、自身のアルバム『The Main Man』をリリースしたのが2004年。そのリリースツアーから2011年までのライヴ音源が氏の三回忌を前に完成です。
手練揃いのオールスターバンドを率いて、いつも通りにドッシリと淡々とベースラインを紡ぐ松永氏
。この音色、このビート。問答無用に必聴です。
【参加メンバー】
松永孝義(Bass)桜井芳樹(Gt) 増井朗人(Trb) 矢口博康(Sax,Cl)福島ピート幹夫(Sax)エマーソン北村(Key, Cho)井ノ浦英雄(Drs, Per)ANNSAN(Per)松永希(宮武希)(Vo, Cho)ayako_HaLo(Cho)田村玄一(Pedal Steel, Cho)今井忍(A.Gt)松竹谷清(E .Gt)
【収録曲】
01, Momma Mo Akoma Ntutu (Yao Boye, Nathaniel Akwesi Abeka)
02, Jazzy (Willie Colon)
03, Caminando Despasio (大原裕)
04, Two-Step (松竹谷清)
05, Pua Lililehua (Mary Kawena Pukui, Kahauanu Lake)
06, Malaika
07, Dali Ngiyakuthanda Bati Ha-Ha-Ha (George Sibanda)
08, よろしく (大原裕)
09, Walk Slowly (大原裕)
10, メンバー紹介
11, Africa (Rico Rodriguez)
12, Hip Hug Her (Cropper, Dunn, Jackson, Jones)
13, Two-Step (Astro Hall 2004)
14, La Cumparsita (Gerardo Matos Rodri'guez)
15, Momma Mo Akoma Ntutu (Shinsekai 2011)
※松永さんのHPに、音源に関する様々なコメント、インタビューなどなど、リンクされていますので是非ご参照ください。
http://matsunagatakayoshi.wix.com/home