70年代前半、ハスラー風の衣装も含めその存在はイースト・ハーレムでも極めて異彩を放っていたというラテン・ソウル界の異端児、ラルフィ・パガーン。その生々しい世界観は、自身の出自であるプエルトリコ系ではなくカリフォルニアのチカーノたちの若者を大きく魅了し、南米で謎の死を遂げる前の数年間、活動の舞台をロサンゼルスに移していたほどで、チカーノ・バリオにおいて永遠の人気を誇っている。本作は、アフリカ系アメリカ人の父とメキシコ系の母をもつマリク・マロがそのラルフィ・パガーンへのトリビュートとしてカヴァー、2020年2月にリリースした前作に続く5曲入りEP。"MAKE IT WITH YOU"、"JUST FOR A LITTLE WHILE"、"I COULD NEVER HURT YOU GIRL"などローライダー〜ロスト・ソウル好きにはたまらないナンバーをマリクの確固たる解釈で歌う力作。